液化天然ガス(LNG)とは、−162 °C(−260 °F)まで冷却された天然ガスです。液化プラントで天然ガスを液体に変換するためには、一般的に、前処理、酸性ガスの除去と脱水、重質炭化水素を除去するための分留、および液化という4つの主要なプロセスが必要です。液化天然ガスを予定通りに積み込んで出荷するために欠かせない、継続的かつ中断のない作業を保証するには、これらの各LNGプロセスにおいて、正確で信頼性の高いプロセス制御が必要となります。
重要な事実
>USD 200K
上記数字は天然ガスプラントでのモレキュラーシーブの2日間のシャットダウンの潜在的なコストです。 LNGプラントの場合、容量によっては、これは100万ドルを超える可能性があります。
気泡混入アプリケーションに対応する高精度流量計
LNG液化プラントの極低温流量アプリケーションは、二相流状態を伴う可能性のため、測定に関する課題をもたらします。温度の変動および圧力降下により、液体の一部気化や気泡混入が発生し、それが指示値の上振れ、下振れの原因になったり、または測定が完全に停止することがあります。
この分野の当社の専門知識
当社の革新的なコリオリ質量流量計は、気泡混入アプリケーションのためにユニークなソリューションを提供します。特許取得済みのマルチ周波数テクノロジーは、信頼性の高い連続測定、リアルタイムデータ、高い可用性を約束します。
- 気泡混入がある場合でも、密度、質量、体積流量の高精度測定が可能(気泡のタイプに注意要)。
- LNG取引計量認定OIML R117およびMI-005
- メンテナンス不要でコンパクトな構造により、設置の柔軟性が向上
- Heartbeat Technologyにより、プロセスの中断なく、インライン検証が可能
渦流量計により低流量測定が改善
渦流量計は、LNGプラントの液体および気体アプリケーションの両方で役立っています。しかし、ほとんどの渦流量計では、低流量で信号が喪失し、レイノルズ数が20,000を下回ると測定精度が低下します。
この分野の当社の専門知識
Endress+Hauserは、こうした課題の解決をお手伝いします。Endress+Hauserの渦流量計は、低流量での性能に優れ、温度衝撃や振動に対する堅牢性が高く、多変数オプション(圧力および温度)を備えているため、優れた選択肢となります。気体、液体、蒸気に対応します。
- 市販されている他の渦流量計よりも16%低いレイノルズ数で測定を開始、2サイズダウンのレデューサタイプでは76%低いレイノルズ数で測定を開始
- 直線性が良く、レイノルズ数10,000まで精度が保てるフラットスペック
- 優れた測定精度 +/- 0.65%(液体)/ +/- 0.9%(気体)を確保するプレミアム校正により、低流量で最高のLNGプラント可用性を実現
ガスプロセスにおける温度測定
ガス処理施設では、高精度の温度計が重要な役割を果たします。ガススイートニングおよび脱水ユニットのコンタクタ(吸着)に入る天然ガスとアミン/グリコールの温度差が規定された限界を超えると、気体の凝縮、発泡、損失が発生します。また、付着物を検出するために、熱交換器の壁面全体に信頼性の高い温度監視が必要です。
この分野の当社の専門知識
当社の堅牢な温度伝送器は、革新的かつ最先端の技術によりプラントのダウンタイムを最小限に抑えることができます。
- エラー発生時に測定値の中断なくセンサのバックアップ
- センサのドリフトと腐食の検出
- 国際標準に基づくサーモウェルを幅広く提供
- パイプおよび管壁の表面温度測定
- 革新的なStrongSensにより、耐衝撃性と耐振動性 > 60gを実現
ガススイートニングにおけるH2SおよびCO2のオンライン監視
極低温液化の仕様を満たすよう、ガススイートニングプロセスによりサワーガスから酸性ガスを除去(H2SおよびCO2)します。アミン処理ユニットの流入口のサワーガスと流出口のスイートガスのH2SおよびCO2濃度を測定することは、処理プロセスの制御と最適化のために重要であり、それによって、LNG供給ガスの品質を保証し、液化工程中にプラント機器が損傷する可能性を防止できます。
この分野の当社の専門知識
波長可変半導体レーザー吸収分光法(TDLAS)アナライザは、この重要な測定において非常に効果的であることが実証されています。
- H2SおよびCO2濃度の変化に対する非常に速い応答は、アミン処理ユニットを制御するための重要な性能特性
- 特許取得済みの差分光方式により、低ppmレベルでH2Sを測定
- 測定の為のキャリアガスシリンダ、燃焼ガスシリンダ、或いは酢酸鉛テープ等は不要の為、メンテナンスおよび運転コストの削減が可能
- 非接触式レーザー測定により、付着物や腐食を回避し、LNGプラントの信頼性の高い長期運用を実現
計器の診断、検証、監視
石油・ガス産業は、過酷な環境で稼働しています。コストのかかる予定外のメンテナンスとダウンタイムを回避し、メンテナンスコストの削減、システム可用性の向上を実現するには、プロセス計器の状態をよりよく把握することが必要となります。
この分野の当社の専門知識
当社のHeartbeat Technology を搭載した各種のインテリジェントなフィールド計器は、独自に統合された診断、検証、監視機能により、プラントの可用性を高め、高いプロセス安全性を保証します。
- 計器の常時自己診断機能により、計器とプロセスの継続的な健全性チェックが可能になり、問題が発生した場合には、どのように対処すべきか明確なガイドを提供
- 計器が適切に機能していることを、プロセスの中断なく、いつでもどこでも検証することが可能
- Heartbeatの監視機能により、トレンド分析を可能にする詳細な計器データとプロセスデータが提供され、予測メンテナンスが実現
- 当社のIIoTエコシステムであり、インテリジェントなアプリ製品ラインナップであるNetilionは、Heartbeatデータに基づき、より多くの情報とメリットを提供
利点
弊社の計器は、天然ガス液化プロセスの中断のない連続稼働を保証するために必要な測定精度と強化されたプロセス制御を提供します。最先端技術を採用したフィールド計装により、スタートアップ時間の短縮、予期しない停止の回避、プラントの可用性を最大限に高めることが可能です。高度な診断、検証、監視機能を備えたインテリジェントなフィールド計器は、適切なメンテナンスを決定するために必要な情報を提供します。
重要な事実
3,000万台以上
世界中にフィールド計器の導入実績があります。
重要な事実
800,000台以上
コリオリ質量流量計が幅広い産業に導入されています。
重要な事実
40カ国以上
Endress+Hauserのセールスおよびサービスセンターがあります。天然ガス液化プロセスのサービス作業や最適化に対応するため、1,000名以上のエキスパートを擁するEndress+Hauserのグローバルサービスチームが世界中で活動しています。
Endress+Hauserは、次のサポートを提供いたします。
ガスの前処理から液化まで、LNGプロセスにおける重要な測定および信頼性の高いプロセス制御のための適切なフィールド計器を、弊社はお客様と協力して選定します。これには、気泡混入と低流量アプリケーションに対応する高精度流量計、液化天然ガス用に処理されたガス中の汚染物質を微量レベルまで計測し、確実に除去し得る為のガス分析計、信頼性の高い温度センサ、高いシステム可用性を保証するスマートフィールド計器が含まれます。
- コリオリ式テクノロジーが可能にする多変数測定により、気泡混入液に対する性能の最適化 – MFT(マルチ周波数テクノロジー)
- 低流量で優れた測定精度を発揮する多変数渦流量計
- ガスが極低温LNG化に適応している仕様かを確認:Tunable Diode Laser Absorption Spectroscopy(波長可変半導体レーザー吸収分光法:TDLAS)アナライザは、アミン処理装置において水(H2O)および二酸化炭素(CO2)の高速かつ高精度のオンライン測定を可能にします。
- 信頼性の高い温度センサ技術による最高のプラント可用性と安全性
- Heartbeat Technology:診断、検証、監視機能により、最小限の作業負担で高いシステム可用性と安全性が保証されます。